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■不動産の資産価値の9割は立地です。
■立地は自己都合だけでなく、多くの人にとってどうかという視点が大切。
■住宅の本当の価格は「 売却価格 - 購入価格 」です。
①「立地」は選択肢が多い
●「立地」の選択肢を狭める人が多い
不動産購入時の検討事項に大きな3要素があります。①「価格」、②「広さ」、③「立地」です。購入できる「価格」は、用意できる頭金と、住宅ローンを申請する人の与信力で決まります。なので、それほど選択肢はありません。また、「広さ」は居住人数で決まります。4人家族で30㎡は少々狭いですね。もっとも選択肢の幅があるのが「立地」です。不動産をどこに買うのかという問題なのですが、これをあえて狭めている人が本当に多くいます。しかし、ここに大きな落とし穴が待っています。
●「立地」の選択肢を狭める三つの理由
①職場に近いから・通勤に便利だから
バブル崩壊後、社会全体で終身雇用の風土を壊してしまいました。以前にも増して、転職の機会が増え、時には転勤・リストラなどもあります。同じ会社の同じ場所で一生通勤するということはほとんど考えにくいのではないでしょうか?
②昔から住んでいるから
本当に昔からでしょうか?都市部の生活者の多くは、大学や就職をきっかけに都市部に来ている人が多く存在します。
そんなに「昔から」という訳でもありませんね。「住めば都」ですから。
③子供の学区域の問題
これもよく聞かれる話です。お子さんのことを考えればなるべく転校させさたくないというのは親心でしょう。しかし、学区域内に絞り、しかも新築などを買って、後に住宅ローンの返済ができなくなってしまったら、家を売らなければならず、転校になります。多くは家を売却しても住宅ローンだけが残るような状態だったりします。お子様のことを考えて学区域にこだわったのに、学区域にこだわったことで子供に迷惑をかけてしまう。こんな方達も多く目にします。「どこに住むのか」子供には選択権がありませんね。親が家族のことを考えて、よく検討する必要があります。
●アメリカ人が考える住宅購入時に重要な3つの事
全米リアルター協会(http://www.realtor.org/)に所属する、不動産エージェントの話。アメリカ人が住宅購入の際に重要視している3つの事があるそうです。1に「Location」、2に「Location」、3に「Location」。要するに「立地」「立地」「立地」ということです。不動産の価値は「利用価値」。利用価値の高い立地が不動産の価値を決めることをよく理解しているアメリカ人ならではの発想ですね。
②不動産の価値が下がりにくい良い立地とは?
●自分にとってという目線ではなく「多くの人にとってという目線」が重要
上の地図を見て下さい。これは、首都圏の新築時の分譲マンションの価格を100とした場合、10年後に何%で流通しているかを表した地図です。山手線の内側を中心に値下がりが少なく、国道16号線沿いなど、周辺地域の値下がりが激しいことが分かります。なぜこのような現象が起こるのでしょうか?首都圏の就業人口の多くは、山手線の内側に偏っています。そこに通う人向けの住宅の値下がりが抑えられているという現実です。他のエリアでも、多くの就業人口を抱える街に近ければ近いほど、不動産の価値は維持されやすくなります。
●購入価格が2,500万円の住宅と4,000万円の住宅はどっちが安いでしょうか?
例えば上記地図左上に「立川」という駅があります。仕事場が「立川」なので仕事場まで30分で通勤できるところに住宅購入を検討したとします。東京の中心から離れて買ったAさんは2,500万円、東京に寄って買ったBさん4,000万円でした。購入価格はAさんのほうが安く買ったのですが、両名とも10年後に大阪に転勤になり売却することになりました。Bさんは4,000万円で買った住宅が4,000万円で売却できました。対して、Aさんは2,500万円で買った住宅が1,500万円でしか売れませんでした。どっちが高い買い物をしたのでしょうか?
不動産は資産である以上、実際の購入額は「売った値段-買った値段」であることを忘れてはいけません。私の都合だけで立地を決定すると、このようなリスクがあることも忘れてはいけません。
③「なぜそれを許容する?」住宅購入時の不思議
●地方に行くほど駅から遠いことを許容する不思議
地方に行くと「この辺は車社会だから、駅からの距離なんて関係ないから」「飲みに行くのも車で行って帰りは代行だし」のよう話をよく耳にします。車を運転できることが前提の話です。人口減少社会です。人口が減って、公共交通機関で、まず真っ先に間引きされるののがバスです。民間のバス会社は赤字続きでは路線を維持することはできません。また、想像がつきにくいのか、高齢になると車の運転ができなくなることを忘れてはいませんか?都会は、多少駅から遠くても交通網が発達しているので困りませんが、地方だからこそ駅から遠いことを許容してはいけないと思います。
●内装にはこだわるのに立地にはこだわらない不思議
ここまでご覧いただいた方は、資産価値維持には立地が重要(全て)であることは十分ご理解いただいていると思います。最近、「中古を買ってリフォーム」そんな文化が浸透しつつあります。「中古を買ってリフォーム??」リフォームってしなくてはいけないものなのでしょうか?リセールバリューの決定要因とウェイトについて下に示します。都会か田舎かで6割が駅から近いか遠いかで3割が、要するに不動産の資産価値の9割は立地で決まるということなのです。それに対して、何階にあるか?南向きか等の個別のスペックや、どんなキッチンが入っているか?どんな内装か?という個別要因は資産価値にほとんど影響しないという話です。
どんなに素敵な内装でも、誰も利用しない土地に建っていたらそれは「趣味の家」であって、「資産の家」ではありません。
良い立地にある素敵な住宅が資産ですね。とにかく「良い立地にある」ということが重要です。
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